晴暦3099年、蒼天祝樹のオーレ
晴暦3099年4月9日。

オーレです。

・・・。

「バベル」を通じ、辿り告いだ樹海雲「ふらくたる」の第7階層。

アタシは、瞼を閉じ、ぼそぼそと「実行式」を詠んだ。

・・・。

コール、「ヌル・ポイント」・・・。

コール、「ハロー・ワールド」・・・。

・・・。

いた。

ハローのにおい。

あれ?

リンゴのにおい?

なんで、あの子まで?

・・・。

?:「とおさん、ばれてるよ!!」

?:「しっ!気配を消して!!何されるかわからない・・・。」

・・・。

ハロー、リンゴ・・・。

ほかに・・・、

「虚無」?

「バベル」?

まさか・・・ね。

・・・。

今行くぞ!!

10年も家出しやがって!!

・・・。

私は、オーレ。花見の太楽のオーレ。

晴暦3099年の春。

齢100歳越えた「春」、「空」に道を築く「春」。