晴暦3099年、意思相応界隈の龍王リュウン
アイツは、遠い昔、言ったよ。
「人は分かり合えることが困難な存在だ」と。
「分かり合えることが出来ないから、異なる者」と。
「じゃあ、分かり合えるとしたら?」、
「そこで始めて、人となる」と。
「だけど」、
「人は、密になることは無い」、
「だから」、
「人は、人間という間を持つ」と。
「そして、言ったよ」。
「それでも」、
「異なる者と思い込むから、亜の心を持つ悪と言う存在と見下す間抜けだ」と。
「同属種でそれだから、私はこの世界が嫌いだ」と。
「それは」、
「私が生きるそれ以前から、考え想われている事じゃないのかな?」と。
「そして」、
「私は巡り歩んだ」と。
そして、
「お前達」が、今、ここに、いる。
アイツは、今も、「空を見ている」んじゃないか?
「何かを掴み取る」、そうありたいと。
・・・。
ここ、オールドリアニン大陸の南の岬で、私達に龍王リュウンはそう言った。
天篇より「スパイラス・スリープ」の堕ちる刻まで、残りわずか・・・か。