晴暦3099年、紅凪幽玄のアリィー
空が、近いな。

手が届きそうだ。

あの「見えない壁」まで、あと少しか。

・・・。

晴暦3099年4月。

雲ひとつのない空が上にある。

ここは、スーリア国のある河に架かる石積みの橋の上。

・・・

この星は、何処の星の河の、何処にあるのだろう。

・・・

あの古ぼけた「歴史の図書館」にすら、それは並べられていなかった。

・・・

学ぶことは、面倒だったかもしれない。

学ぶことは、必要だったかもしれない。

それは、有用だったか。

それは、無用だったか。

無知ならば、知ることをすればいいだけ。

無知だからこそ、知ることをすればいいだけ。

・・・

もう、前に進んでもいいんじゃないかな。

もう、見上げるだけじゃなく、掴んでもいいんじゃないかな。

・・・。

さて、と。

時間が掛かったけど、

始めますか。

古からのコードネーム「ドットウィッチ」の実行を。

・・・

嵐の魔女「アリィー」、嵐の英傑の「天ノ河のアリィー」は、見上げた。

・・・

大気を押しつぶしながら、雲の環が増え広がって、近づいてきた。

「あのもの」達は、どう「想う」かね?