晴暦3099年、星空涙河のキサラ
晴暦3099年4月。

私は空が暗がりになるのを待った。

いつ起きて、いつ寝ているのかすら、わからない。

・・・。

彼の者は言った。

生物、無生物に関わらず、全てに「存在価値」があると。

知っている者達、出会ったことすら無い者達、全てに対して。

・・・。

彼の者は言った。

何かしらに必要だから、「今、そこにいる」と。

何かしらにも、ほんの一瞬でも忘れ去られたその時に、「今、そこにはいられない」と。

・・・。

そして、

私は、

「今、そこにいる」。

・・・。

空を見上げると、

星の一つ一つが、

「涙の河」に見えることがある。

・・・。

彼の者は言った。

「今、そこにいる」間に、成すべき事は成せと。

・・・。

晴暦3099年の春の夜。

涼しくもあり、暖かくもあり。

・・・。

その手に持つ刀の「星空の涙」は、星空の河を映し出していた。

・・・。

私は、「星空のキサラ」は、「星空に流れる涙」を追って、風のように駆けた。