晴暦3099年、コトコト樹帝のウララ
晴暦3099年4月。

アタシはウララ。

太楽の海花のウララ。

・・・。

アタシは、港町暮らしの箱庭娘。

アタシは、歴史が苦手。

ここ百年、色々あったらしいけど、アタシは・・・知らん!!

・・・。

空には「大きな穴」がある。

なんかおかしくない?

空に「大きな穴」があるんだよ?

・・・。

それは、昔、誰かが「大きな穴」を開けたんだって。

誰なんだろうね・・・。

ま、いっか。

・・・。

アタシは、ちっさい頃、一つの「芽」を見つけました。

透明でキラキラしてて、まるで虹のような、そんな「芽」。

それは、「ゆぐどらしるの芽」だって、婆ちゃんが言ってた。

「芽」は、アタシに「コトコト」と言ったのは憶えている。

・・・。

「コトコト」は大きな樹となり、アタシを見ている。

アタシは、ゆぐどらしるの主の「コトコト樹帝」って言われた。

・・・。

今日は、晴暦3099年の春。

桜の花びらの舞う春。