晴暦3099年、PMC装備ゴーレムのスカラベ
晴暦3099年4月。

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PMCメデューサ24の「真紅のフォーミュラのマアカ」はフォワードチームを率いてバベルへ進入した。

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フォワードチームは、湧き出るように現れる「タイプ:エンジニアリングドラゴン・コンセプト:バルブ8」の追尾が行えない程度に斬り付けて進行した。

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それでも、「バルブ8」は、自己修復機能により再稼動を試みていた。

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サポートチームは、その状況を即時把握し、

「ジュエルポッド」を次々とバベル上層部に向けて射出した。

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「ジュエルポッド」は、障害対象を認識し、カウルを剥離させ、内部から無数の球状物体を放出した。

無数の球状物体は、PMC装備殲滅用ゴーレムの「スカラベ」であった。

サイズは、1cmにも満たない。

それらは、三角錐頂点に設けられたポートから、極細フレシキブルアームを展開し、わらわらと「バルブ8」達に群がった。

フレシキブルアームの先端は、注射針になって「バルブ8」の外皮に突き刺し、「液状爆薬」を注入した。

注入後の液状爆薬には、カメラセンサーを兼務しているレーザービーマーで次々と点火させ、外皮に爆発痕を付けていった。

その爆発痕から「スカラベ」自身が侵入し、高速不規則回転によりフレキシブルアームで内部を傷つけ、

「バルブ8」内で「自爆」した。

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「バルブ8」は、自己修復機能が追いつかないまま、バベル最下部まで落下した。

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「バルブ8」達は、その後、バックアップチームによって「コア」を破壊され、機能停止していった。