晴暦3099年、蒼のフォーミュラのオーレ
晴暦3099年4月9日。
・・・。
ここは西の国の鳳国「ネル」・・・らしい。
眼前にはドラゴンタイプの「不自然な存在」がいる。
「不自然な存在」は、あの箱舟から落ちてきたもの。
アタシは、「天使の屑」と呼んでいる。
・・・。
<メルキアド♪よ~く見とけ♪>
はひっ!!
<いい返事だ♪>
!?
オーレ大叔母様は右手を広げて、竜の前に差し出した。
何かを・・・探している?
<ここか♪>
・・・。
龍の中?で「ぐちゃ!」って音がした。
<目をそらすなよ♪これが、「真実」だ♪>
オーレ大叔母様の右手が「きゅっ」っと閉じられた。
竜が、竜が、竜の形が、「竜の形」ではなくなった!
さらに「ぐっ!」っという音と共に、竜が「ぎゅるぎゅる!」音を立てながら小さくなって・・・消えた。
・・・。
<メルキアド。「自然の世界」に「不自然」があってはいけない。>
<バレリィ姉様にも言われただろ?「本家に行け」と。>
・・・。
オーレ大叔母様は、前髪を掻き揚げて、あたしのおでこに、「こつん」っと当てた。
<何か感じない?>
暖かい。
<暖かいと感じる事は、お前も暖かく「生きている」。>
<お前は、姉様の血を引いている。そして、アタシとも血が繋がっている。>
・・・。
<「世界」を見ろ♪そして、「世界」を知れ♪お前も「何か」できるということを。>
・・・大叔母様。
<さて、馬鹿ハローを捜しに行くか・・・。>
<「地表」は大体廻った。「樹海雲」か・・・。あそこは、めんどくさいな・・・広いし。>
<アタシは、「蒼のフォーミュラのオーレ」。そして、「太楽の花見のオーレ」でもある。>
<メルキアド。さあ、行け!「進むべき道」を探しに!>
・・・オーレ大叔母様は、地面を軽く蹴って、そよ風に乗るように、見えぬ空に溶け込んでいった。