晴暦3099年、漆黒のアーマルタ
晴暦3099年4月2日。
ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。
あたしはウララ。
・・・。
ここは、タオさんのプリン店。
・・・。
九尾の赤い服のルイボスは、片手で持つ巨大な得物で妖精王の横腹を「く」の字になるくらいの勢いで、ぶん殴った!!
「アーマルタ!キルコマンド、準備!!」
<キルコマンド、準備開始。>
ルイボス姐さまの後ろに黒い影があった。
アーマルタ!!
<痛いじゃないか♪>
妖精王は、「く」の字に曲がりながらニタリとした。
「うっとおしいよ、その顔。な、妖精王。」
・・・。
<第参月糸術式開放。第参月糸バレル形成。>
<何それ♪かっこいいな♪>、妖精王は、ケタケタと笑った。
<第弐月糸術式開放。第弐月糸バレル形成。>
<<やめろバカあ!!こんな人口密集地でそんな物使うなあ!!>>、図書館塔「白の塔」の外部向けスピーカから文句が飛んできた。
<第壱月糸術式開放。第壱月糸バレル形成。>
「タオ大叔母さま、町全体に衝撃結界を形成してください。」、ルイボス姐さまは淡々と言った。
<中央制御術式開放。月糸零号ハンマー形成。>
「ふむぅ・・・。しゃあないなあ・・・。」、タオさんは、何気なしに両手を広げ、その腕を空に向けた。
<キルコマンド、実行可能。>
「撃て。」、ルイボス姐さまは躊躇なく言った。
・・・。
アタシの目の前が真っ白になった。
耳が「キーーーーン・・・」と鳴った。
・・・。
その光は、あらゆる各地から観測された。
恐るべき光。あってはならぬ光。
・・・。
アーマルタ。何かよくわからない存在「アーマルタ」。
忌むべき光は、忌むべき存在をこの場より消し去っていた。