晴暦3099年、勇者狩りのベクトラ
晴暦3099年4月2日。

ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

あたしはウララ。

・・・。

ここは、タオさんのプリン店。

・・・。

プリン店の中庭でグリューロット姐さまが、秘術リボルビング・バイト「紅桜」を展開、打ち上げた。

透けた大量の刃物は間髪なく次から次へと、見えぬ空へ目掛け襲い掛かった。

・・・。

図書館塔「白の塔」のテラスから、その状況を見る者がいた。龍王イドだった。

「おいおいおい!ヤバイぞ!ヤバイぞ!!」

館外放送用のスピーカのボリュームを最大にして、絶叫した!!

<<外にいるの者は今すぐ屋内に入れっ!!>>

<<外にいるの者は今すぐ屋内に入れっ!!>>

<<タオプリン店っ!!衝撃に備えろっ!!>>

・・・え?

「ドゥオオオオオオオッ!!」、何かが爆発したような衝撃が来た!

うあっ!!

プリン店の窓ガラス全部が割れた!!

・・・、「ぱりん・・・」、残っていたガラスが落ち、静かになった。

<やあ♪>

<君達だね♪僕を見つけたのは♪>

プリン店の店舗側の屋根に傘を差している少女がいた。

「・・・なんだ・・・こいつは・・・」、グリューロット姐さまが言った。

<<そいつは、妖精王だ!!「ベクトラ」だ!!>>

「「ベクトラ」!こいつが、「勇者狩り」か!」

<あれ?知っているんだね♪僕が「勇者狩り」ってことを♪>

<?君、あの空飛ぶ刃の人だね♪ちょっと前にも同じ技を見ておいて良かったよ♪>

「「見ておいた?」だと?「ルイボス」と交戦・・・したのか・・・」

「ルイボス姐さま」・・・?

<厄介だったよ♪まさか、「巣」にまで来れる人間とゴーレムがいたなんて♪>