晴暦3099年、風読みのツバメ
晴暦3099年4月。

・・・。

「風が・・・、変わった・・・。」

・・・。

「風、変わりましたね。」

・・・。

「見える?風の動き・・・。」

・・・。

「ええ。行ったり来たり・・・彷徨っています。」

・・・。

「あなたがここに来たということは・・・。」

・・・。

「はい。当主からの命により、お迎えに参りました。」

・・・。

「モカは元気?」

・・・。

「それはもう、手がつけられないくらいに。」
・・・。

「それにしても、あなた・・・日焼けしますよ。」
・・・。

「お気になさらず♪この地は、物騒です。お早く。」
・・・。

わたしを迎えに来たのは、ツバメ。太楽の燕帝のツバメ。

わたし同様、「風」が見えるという。