晴暦3099年、車輪帝のラテ・スリー
晴暦3099年4月2日。

ここは、スーリア国の西の国境のある町「サワ野」。

あたしはウララ。

・・・。

ここは、タオさんのプリン店のちょっと小さな中庭。

あたしは、庭に置かれた椅子で眠っていたみたい。

そして、誰かがそっと毛布を翔けてくれていた。

タオさんが「おはよ♪」と言ってくれた。

・・・。

「この寝坊助め!いつまで寝ている!!」、だ!だれ!?

・・・。

「お前の目と耳は、前しか捉えられないのか!!」、にゃんだと!?

・・・。

この、「イラッ!」っと来る口調は・・・。

ラテ公っ!!

・・・。

ラテ公。太楽の車輪帝のラテ・スリー。三世。でも、ラテの婆ちゃんのあだ名の「ラテ公」が未だに通ってしまう。

「ウララ!とろとろと、してんじゃねえよっ!!」

むかっ!!

・・・。

・・・といっても、ラテ公は強敵だ。

祖母譲りの電撃の魔導力を持っている。

・・・く、くやしい・・・。

と、思われがちだが、暴発が多いので結構バカにされている。