晴暦3099年、重装甲のガッハーハ
晴暦3099年4月1日。
ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。
この町の外れに、国際図書館「白の塔」がある。
・・・。
「ふ~♪」
・・・。
闇の中で息づく者がいた。
「まさか、再度こんな下層ブロックまで降りてくるものがいるとは思いませんでした。」
闇の導師の「クフーフ」は安堵していた。
「といっても、感づかれた様子もありましたから、早々に撤退しますよ。」
・・・。
「あなたは何も言わないのですね、ガッハーハ。」
「無口が信条という者もいますが、あなたは「無音」に近い。」
「よくぞまあ、そのような重装甲で微かな音すら発たないものです。」
「長居は無用です。」
・・・。
闇の導師の「クフーフ」と重装甲の鎧を纏った「ガッハーハ」は暗闇に溶け込んでいった。