晴暦3099年、闇導師のクフーフ
晴暦3099年4月1日。
ここはスーリア国の西の国境のある町「サワ野」。
この町の外れに、国際図書館「白の塔」がある。
・・・。
ここは、白の塔の地下50階くらいで動いたり動かなかったりするエレベータを乗り継いでいる。
「だから違うんだって!」、白の塔館長の白龍帝「イド」は言い聞かせていた。
「そりゃまあ、ディープネーレイドがいたのは確かだけどさ・・・。」
「ね、アーサさん・・・。」、太楽の鉄帝のアーサ、疲れて、聞く耳持たぬ・・・。
「ね、フーカさん・・・。」、太楽の鏡帝のフーカ、涙でメガネが曇っていた・・・。
「しくしく・・・。」、イド館長、泣いている振りをしてみる。
「本当に申し訳ありません!申し訳ありません!」、
怪物ディープネーレイドを「サント上条女学院」から逃がしてしまった「コレット・レッタ・チョコレッタ・海花」と、お付の猫饅頭がひたすら謝っていた。
・・・。
がやがやした連中はひたすら上へ上へと、「うへ~・・・」といいつつ、登っていった。
・・・。
「ガヤ芸人どもは行ったか・・・。」、暗闇の中に蠢くものがいた。
「さて。」・・・、それは、白の塔の昔の崩落地点に向かっていた。
「ここか。」、そこは闇に包まれていながら、発光苔でわずかな光があった。
「ザザーーーっ!!」、本棚が倒れ、漏水でぐちゃぐちゃになっていた。何故か洞窟魚までいた。
「ここで間違いないはず。」
それは、全体を見回す。
ふむ。
「あの発光苔のないところかな?」
「当たり♪」
・・・。
そこには、かつて、頭痛の悪魔と言われていたものの残骸があった。
・・・「魔族の心」。
・・・。
「く、・・・くっくっくっく♪」
・・・。
「心」を手にした、それは、笑いをこらえ切れなかった。
「これで、・・・が、始められる。」
「それ」は、闇の導師の「クフーフ」は、これから始まる期待に心躍らせていた。