晴暦3099年、星空のキサラ
晴暦3099年4月3日。
ここはどこ?
たぶん、スーリア。
だって・・・。
ずっと・・・。
ずっと数日前から・・・。
窓のない、護送車に乗せられているから・・・。
車内には、ぼんやりと柵の付いた小さな明かりがついている。
朝・・・?
昼・・・?
夜・・・?
・・・。
かすかな朝露の匂い・・・。
周りには武装した大柄な黒服が6人・・・。
ガタタンッ・・・!
車が揺れた。
わずかに照明が点滅した。
それだけで十分だった。
そして・・・。
その場に残ったのは・・・。
煙の出ている護送車・・・。
私は、「星空の涙」と言う刀を持って車から離れた。
・・・。
私は「キサラ」。「星空のキサラ」と呼ばれていた。
・・・。
匂う・・・。
妖精の匂いだ・・・。
私は朝霧の中に姿を消した・・・。