晴暦3099年、白き狐のウルティマ
晴暦3099年4月2日。
ここはスーリア国の北端の天空の町「プライドス」。
位置は国の中央にある「真珠の森」から山脈に達する所かな?
・・・。
・・・空に仙の狐の「リリリリレット」が舞っている。
<<邪なものが近づいている>>
<<邪なものが近づいている>>
はわわわわわ・・・、どうしよう・・・。
どうしようっ!!
・・・それは唐突であった。
「ここに魔女はいるか?」
冷たい・・・。
空気が凍った。
い、いません。ここには魔女はいません。
「そうか。匂いが残っている。魔女だ。赤き魔女の匂いだ。」
「何処だ?赤き魔女は何処に居る?」
き、消えました。
「逃すか。」
・・・。
その者は、白き狐の姿をしていた。
先ほどの赤き魔女のように、風に溶け込んで消えていった。
・・・。
がくっ・・・。腰が抜けた。
生きた心地がしなかった。
・・・。
白き狐も知らない存在だった。
脳裏には残っていた。白き狐の「ウルティマ」という名を。