晴暦3099年、ルララ祈る
晴暦3099年4月1日。
ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。
・・・。
で、リベリカ、ウララたちは、森を越えられたのね?
「うん。」
そかそか。
しかしなあ・・・、もう夕方だぞ。
なんだ?あの森の違和感は?
大体、今日のデバッグは、ただの蟲退治のはずだったんじゃ?
「わたしが森の中央道を通ってきたときには、まだ森の組合長が「戦闘中」だった。」
「戦闘中」?
はあ?あの「アリス」が?
何の冗談やら・・・。
・・・。
ったく、ウララの馬鹿!
こづかい欲しさに大婆のところに行くなんて・・・。
春休みが終っちまうぞ。
って、
どうせ、こづかいじゃなくて、あの大婆のことだから「ギフト券」ぐらいしかくれなさそうだけど。
で、リベリカはどうすんの?
「わたしは、婆様から「例外」を預かって来いと言われただけ。」
ふ~~~ん・・・。
「例外」なんてどうでもいいよ。
問題は、同行しているという「グリューロット」の方だ!
あいつ、変なこと色々知っているからウララたちに吹き込まないことを祈るだけだが・・・。
「たぶん、無理。」
やっぱ、無理・・・か。
流れ星にでも願うとするかな・・・。
で、手伝いほしい?
「どちらかと言うと、ほしいですね。」
相変わらず、あいまいな言い方すんなあ。
ワタシとリベリカは、夕刻の「戦闘中」の真珠の森に入っていった。
・・・。
ワタシはルララ。太楽の海花の乱狐のルララ。ウララの実姉だ。
「乱狐」は大婆が勝手につける「二つ名」。よくわかんねえ。
ウララは、こづかい貰うついでに「二つ名」も貰いに行ったのかも・・・。いや、こちらが本命かな。