晴暦3099年、風の狐のリベリカ
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

「では、まず、サワ野まで行きますよ。」

はい・・・。

・・・。

太楽の嵐狐のグリューロット。怖い怖い姐さま。

家系は代々の九尾の狐で、元は海花に住んでいたとの事。

で、その家系でもっとも厳しい性格だと、モカ婆ちゃんが言ってた。

でも・・・、

そのグリューロット姐さまが森の西側に来ているの?

・・・。

「グリューロット!用事済んだ?」

あ・・・。

あの単車は、「リベリカ」姐さま。

あれ?

姐さまたちは、なんでここに来ているの?

「なんで?って、わたしはグリューロットをここまで送ってきただけ。」

「私は、リベリカにここまで送ってもらっただけです。」

・・・ふむぅ・・・。

・・・読めない・・・。

!?

本家に何かあったのですか!?

「いやない!」

「特にありません!」

そですか。

「グリューロット、車、手配する?」

「いや、いいです。電車でのんびり急いで行くとします。」

「電車でいいですね?」

あの・・・電車賃、持ち合わせておりませぬ。

「婆様から電車賃、預かっていますので、さっさと行きますよ。」

「じゃ、あたしは海花にちょっくら行って来る。「例外」の回収もあるから。」

・・・ふゅいいいん。

リベリカ姐さまは真珠の森の中を突っ切っていった。

・・・。

太楽の風狐のリベリカ。あの人も九尾の狐でもある。

ふむぅ・・・、太楽の家系は九尾が多い。謎だ。

ということで、グリューロット姐さまに同行してもらって太楽本家に行くことになった。