晴暦3099年、嵐の狐のグリューロット
晴暦3099年4月1日。

ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。

・・・。

アタシたちは、あと少しのところで「真珠の森」を抜けきれるはずだった。

今、眼前で、幽霊の「レイ」が突撃妖精「ジャベリン」を押さえ込んでいた。

どうしたらいい!?

どうしたらいいの!?

・・・。

森の外から風が入ってきた。

・・・。

あ・・・。

あれ?

・・・。

「何しているのよ、あなたたちは?」

「レイも、そんなのに手こずっている振りしていない!」

「あら、ばれてた?」

・・・ゴンっ!!

突撃妖精は・・・、静かになった。

ずかずかとこちらに「その者」は来た。

「あなたたち!できる事は出るだけ頼らない!」

うぅ・・・。

アタシたち、ウララとビアンとグリングリンは、「その者」の「説教モード」で、シュンっ・・・とした。

森の出口まで、あとほんの少しのところで、正座させられ、小一時間の説教を受けた。

・・・。

「まぁ、ここまでにしておきましょう。婆様も待っているんですよ。」

「どうします?本家まで同行しましょうか?」

お。お気持ちだけ、ありがたくいただいておきます・・・。

「で、レイっ!あなたはどうするのです?海花に戻りますか?」

「・・・いや、今、向こう側も慌しいと思うし・・・、ここら辺でうろついておきます・・・」

(なんで、「オーレ」にそっくりで、なんで、こんなに性格が違うんだ・・・?)

「では、サワ野まで行きますよ。」

はい・・・。

・・・。

この怖い人は、太楽の嵐狐のグリューロット。九尾の狐でもある。

家系は代々の九尾の狐で、元は海花に住んでいたとの事。

で、その家系でもっとも厳しい性格だと、モカ婆ちゃんが言ってた。