晴暦3099年、真珠の森の龍王ディー
晴暦3099年4月1日。
ここはスーリア国の森林地帯「真珠の森」。
・・・。
アタシたち、ウララとビアンとグリングリンは走って、森の大通りの「第一亙通り」を突き進んでいた。
普段の「第一亙通り商店街」は物凄いにぎやかなのに・・・人が全く居ない。路面電車も止まっている。
商店街は皆、シャッターが下りて「臨時休業」の張り紙がしてある。
あるのは、ぼんやりと商店街を照らす街灯と、森の真珠実の輝きぐらいであった。
・・・。
結構走った。
でも、後ろをふと振り返ると、ピカピカッと発光するものが見えた。戦闘はまだ続いていた。
・・・。
<<・・・まったく・・・人というものは勝手すぎる・・・>>
「「ひぃぃぃぃぃぃっ!!」」
どこ!?だれ!?誰の声!?
<<・・・私たちもこの森に住む者・・・>>
ひっ!!人影っ!?暗い中でも見える「人影」!?って、なんだってーーーっ!?
「人影」は浮いていた。
また!浮いてる!飛んでる!舞っている!
<<・・・あなたたちは、少し大げさすぎるよ・・・>>
はわわわわわわわわわわわ・・・・。
<<・・・今、ここには、私しか居ない・・・>>
<<・・・森の者たちには、静かにするように伝えてあるから・・・>>
<<・・・さあ、迷っている余裕があるうちに森を通り抜けなさい・・・>>
<<・・・アリスも何を考えているやら・・・>>
あなたは・・・。
・・・。
そう、この「人影」の人もアタシたちは知っていた。
振り向いたときには、「人影」は居なかった。
・・・。
「蟲の龍王ディー」、森を元々守護する者。
じゃあ・・・。
じゃあ、さっきの「妖精王」とか「スプリガン」ってなんだったの?
アタシたちは、推理は不得意なので、
とりあえず、この場を、
逃げるべし!!