晴暦3007年、弓取戦舟のぱらぺーにょ
晴暦3007年5月末。
「世界の狭間」の球状大樹「ギルガメシュ」に、「それ」は接舷されていた。
意思を持つ船「クラウソラス」。古の船。 最初の船。 最後の船。
・・・。
「で。」
「それ」は手をひらひらと仰ぎ始めた。
「わたしに、何用でございますん?」
「そりゃねー、<世界の表面>は気になりますよー♪」
「でもまー、<よそはよそ、うちはうち>の観点からすると、」
「まったくの他人事でございますの♪」
・・・。
「ですが、」
「あなたは、<こんなところ>まで来られました♪」
「<太楽の海花のバレリィ>はここまで来られました♪」
「<世界の表面>は余程のことになっているのでしょう♪」
「わがまま<ウェブスィーパー>の信号も拾ってますしー♪」
・・・。
「<妖精>とかー、」
「<悪魔>とかー、」
「<アリス>とかー、」
「<アリアリアの夏>とかー、」
「まーーーーーーったく、興味ありませんが、」
「<ウェブスィーパー>の自由奔放な振る舞いは、」
「うらやま・・・、けしからん!ので、」
「あなたの申し出、承り申しますわ♪」
・・・。
「それ」は、太楽バレリィと結託し、
「それ」が属していた名の十五連盟「フィフティーナ」を起こし、
後の動乱の時代へと先立った。
・・・。
箱舟「クラウソラス」の同心「ぱらぺーにょ」は満面の笑みを浮かべ、
<世界の表面>へ進出を始めた。
晴暦3007年の春。
「甘美」と「憂鬱」の始まりであった。