晴暦3007年、ハローとオーレの天地舞踏
晴暦3007年5月22日。
闇の迷宮から抜け出た先が北極の閉鎖大国「クリスタルズ」。
時の迷宮から追い出され、「あれ」から五年経っていた。
・・・。
「あー・・・。」
「うー・・・。」
・・・。
「夜が来ないねー、ねえ、オーレ。」
「夜が来ないわー、ありえないわー、まじありえないわー、ハロー。」
・・・。
「ってか!よく考えたらなんでここにいるんよ!アタシ達!」
「オーレは考え込むから、考えないほうがいいよー。」
「あんたは!元々!考えない主義でしょ!」
「そだねー。」
・・・。
「で、ルリムラはどこ行ったのよ?」
「誰も見てなかったって、オーロラが言ってたー。」
「あの放浪癖め。袖なし短パンでこの一面銀世界で。あいつ、まじわかんねー。」
「わかってはだめなんだよ?ねえちゃんが言ってた。」
・・・。
「さて。」
「さて。」
「ここの都心まで行けばなんかわかるって、オーロラが言ってるけど、」
「霜焼けとかにならんようにそれなりに見繕ったけど、実際どうなんかね。」
・・・。
「で、あんた。杖の先に何つけてんのよ?」
「うん。靴の隙間にあのー、なんちゃらの灯台の部品が入ってたー。」
「あー、あんときにあった<導きの・・・灯台>だったっけ?」
「つまみ取ったら、妖精っぽい形になったー。」
「あー、そういうことは昔から出来るんよね、あんたは。」
「で、<みちびきましょうぞ>とか、そんな感じのこと言ったから杖につけたー。」
・・・。
「ねえ、あんた達。」
「風が光る前に出発するよ。」
「<あいつら>が出てくる前に<クリスタルズ>まで到達しないと。」
オーロラが出立を合図した。
・・・。
五年過ぎてた月日から抜け出したハローとオーレは、オーロラに続いて歩みだした。
「こっから先、どうなるんかね?」
「行ってみればわかるかも♪わからないかも♪」
「そんなもんかね・・・。そんなもんだな。」