晴暦3007年、疾風怒濤のバインドラッシュ
晴暦3007年5月22日のお昼ごろ。

今、ミカサはバレリィちゃんの海花町支店から西にある「真珠の森」にいるでありますよ。

バレリィちゃんが4日ほど前の深夜に外出してから帰宅しないんでありますよ。

で、まあ、ご飯をしばらくもぐもぐしてて、「ハッ!」として今に至るでありますよ。

海花町から真珠の森まで徒歩でも2時間くらいのところでありますよ。

森の中に入ってから3日ほど経っているでありますよ。

海花町から隣町のサワ野町まで徒歩で3時間くらいということくらい知っていたでありますよ。

そして・・・、そこで!気付いたでありますよ!

「路面電車に乗ればよかった!!」と。

そう、ミカサは「また迷子になった!」でありますよ!

で、ここはどこであります?

四方八方、樹!樹!大きな樹!

真珠の森商店街のにぎやかさもどこへやら・・・。

・・・。

ガサリ・・・、ガサガサガサガサッ!!

!?!?

な、なんでありますの!?

・・・、目の前に、

「ひっ!ひいいいいいいいいいいい!!!」。

「蜘蛛っ!蜘蛛っ!でっかい!蜘蛛ががががが!!!」

「あびゃああああああああああ!!」

・・・。

迷子でありながら、一心不乱に走りまくってるでありますよ!

ガサガサの音がいっぱい後ろから聞こえているでありますよ!!!

・・・。

「しいいいいいいいいいいいっ!やっ!!」

何事!?と後ろを振り返ったその瞬間、顔の横に何か飛んで来たでありますよ!

え!?え!?え!?・・・蜘蛛の脚!?

ずどん!ずどん!と音がするたびに、ばらばらになったでっかい蜘蛛たちが転がっていますでありますよ!

・・・。

「なんだよ、これ!<スケジューリア>が言ってた事が無茶苦茶じゃねーかでございますか!」

「なんで、こんなに<瘴気撃ち>の群生がこんなところにわいてるじゃねーかでございますか!」

「この地表はどうなってるんだ?この<地表>は!?」

「なあ、あなた!?」

ひっ!

「今、いつの時代なんだ!?でございますか?」

せ、せいれきの3007年でありますですよ・・・。

(なにこの?粗雑アンド丁寧口調の人は???)

「ああああああ!<スケジューリア>の奴!来る時代設定間違っているじゃねーか!でございますよ!」

「なあ!ここの<土の民>の方でございますか?」

つ、つちのたみ?

「なあ!<カレイド>って奴、知らないでございますか?」

かれいど・・・。カレイド・・・。あ。元「世界王」の人でありますですか?

「そいつだ!そいつ!」

「なあ、あなた!居場所、わかんねえでございますか?」

テレビでチラッと見たことあるようなないような・・・。

「知ってそうな奴の所に連れて行っていただけませんか?」

役所・・・じゃだめっぽそうだし、<図書館のあの人>だったら?

「そこでよろしいでございますよ。護衛してやるからさ!」

「俺は、バインドラッシュ。樹の民のバインドラッシュ。」

その人は、のちのちに<ワルキューレ>という何かということを、

ミカサは知ることになるのでありました。