晴暦3007年、月鼓雲琴のオブリヴィオ
晴暦3007年5月20日。

「んんんんんん♪」

「長く感じたあの暇♪」

「まったく、何のつもりで<世界の果ての柵>に束縛されていたのか♪」

「あー、そういえば。ちと、暴れた事で<総力>の挙句に、囚われてしまったんだったっけ♪」

「あれは、失敗したな。うん、失敗した♪」

「で。」

「<あれ>が、<それ>かー。」

「どう見ても、<あれ>、ニドヘグじゃん♪」

「<あれ>、星殻から落ちてきたんだ。」

「なんか、知っている形と違うなー。」

「そっか。環境適応システムが働いたんだな、たぶん、きっと。」

「なんだったっけ、<ディバイド>って今は呼ばれているんだっけ。」

「ありゃ、<普通の者>じゃ、どうしようもないよな。」

「あれ、<チート・スキル>持ちだし。」

「で。」

「<オーダー>では、あれ潰すんだな。」

「あの<世界の果ての柵>から解放されたんじゃ仕方がないわ♪」

「バレリィ殿への恩義があるし。」

「<お願い>なら仕方がない♪」

「ありゃ?あれ<バベル>じゃん。<まだ>生えてるのかよ。」

・・・。

「と、言ってるところにお迎えですかー。」

「この時代にゃ、魔女が結構増えてるって聞いてたけど、」

「<本物の魔女>を魅せつけてやりますか♪」

・・・。

<世界の果ての柵>から解放された、魔女の真祖「オブリヴィオ」が異様な形の得物を刃音を鳴り響かせた。