晴暦3007年、悠久舞踏のアリアリア
晴暦3007年5月12日。
この星は「リアニン」と呼ばれている。
遥か昔から天文学や様々の分野の学者達ですら、太陽系の内宇宙の何個目かの惑星らしく、未だに未知の状態である。
厳密には、「人工的に生命が生存できる改造を施された何らかを模した惑星の複製物」まではわかっている。
でも、それは、あえて公言してはならない暗黙の事柄とされている。
・・・。
私は、とある村で、偶然にもそれなりの事柄を学んだ村の長の娘だった。
「あの時」が起こるまでは。
・・・。
「あの時」が起こるまでは、今までの生活がごく普通のなんでもないものと気にすらしなかった。
そして、世界が変わる「あの時」が極偶然に起きてしまった。
世界は、変わった。
世界は、大きく変わってしまった。
娘達は、何気ないいつもの「歌」を歌いつつ、村での生活を過ごしていた。
娘達を中心に、世界は変わっていった。
それは、「必然の混乱」の如く。
・・・。
ある娘は、「不必要な力」を得た。
ある娘は、「不必要な業」を得た。
ある娘は、「不必要な知」を得た。
ある娘は、「不必要な無」を得た。
・・・。
「不必要な知」を得た娘は、崇められ、利用され、巻き込まれていった。
止める術もなく、咎める術もなく、「後の廃棄物」かの如く。
ただ、それは、「不必要な無」を亡き者とするためだけに。
・・・。
世界は、変わった。
・・・。
だが、娘達は、静かに「その時」を待っていた。
・・・。
「仕方ないじゃない。勝手に後世の人たちが、そういう祭りを勝手に決めちゃったのだから。」
「今年は「アリアリアの夏」の年じゃないんですよ?」
「仕方ないじゃない。いろいろこっちも用事があるのだから。」
・・・。
私は、そんな大昔の「ある娘の一人」、天ノ原のアリアリア、そういう名前だった者。
私は、今、とある少女と共にしている。「ある娘」の縁者の一人という。
これは、必然の偶然であり、予定は未定で決定ではない「例外」だったことが喜ばしいことであった。