晴暦3007年、遠有近有のアルカンシェル
晴暦3007年5月12日。

この星は「リアニン」と呼ばれている。

天文学やらなんやらで、太陽系の内宇宙の何個目かの惑星らしい。よくわからない。

・・・。

そもそも、なんで「よくわからない」のか?

それは天体望遠鏡では、空が歪んで見えるから星の位置が定まらないから。

・・・。

その原因には、この星の上空に「樹海雲」と呼ばれる「何か」がある。

なぜ樹海と呼ばれるか?

それは、太陽周回の一定の期間に、上空から「木」が落ちてきたから。

それは大小さまざまな木々で、町より大きい場合もある。

私たちは、免許制の「帯刀」を許可されている。

なぜ帯刀を許可されているか?

それは、上空から落ちてくる木々の中に「虫」がいるから。

その「虫」達には、地表にいる生物とは異なることが多く、凶暴なものまでいる。

その為の「帯刀」である。

・・・。

個人単位で帯刀で対処できないときは、それ専門の業者までいる。

その業者のうちの一つに、うちの家系、「大全太楽」の「治安請負部署」とかあったりする。詳しくはわからない。

その中には当主の姉妹の一人にそういう人がいるから。要は「暗部」。

で、その「暗部」のうちの一人の従姉妹がなんか起こそうとしている。

そして、その事案対処に当主の別の一人の要請で、私が呼ばれた。

・・・。

うん。

結構面倒で、関わりたくない。

そんな感じ。

・・・。

で、その従姉妹を追跡している最中だけど、なんか変な人に絡まれた。

・・・。

「で、あなたはなんで百年おきじゃない年に出てくるのですか?って、今年は祭りじゃないんですよ?」

「仕方ないじゃない。勝手に後世の人たちが、そういう祭りを勝手に決めちゃったのだから。」

「今年は「アリアリアの夏」の年じゃないんですよ?」

「仕方ないじゃない。いろいろこっちも用事があるのだから。」

・・・。

私は、そんな大昔の某賢者である「アリアリア」と行動を共にしていた。

私は、太楽の遠有近有のアルカンシェル。そういう従姉妹に対処できる太楽家の一人。

ほんと、偶然だと思いたい・・・。