晴暦3007年、虹輝月光のティファ
晴暦3007年5月11日深夜。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」に船首攻撃を行って半日以上経った。

西リアニン大陸のイルタリアから発せられた衝撃波は、どこかの宇宙の一つの惑星「リアニン」全土に響き渡った。

・・・。

太楽の虹華のティファは、太楽の竹取の千年カグヤと相見えるも、すれ違いの出来事かのように離れてしまった。

・・・。

「バベル」の中は、光なき世界。

この光なき世界をどれだけ落下したかわからない。

それは数分、数時間と感じられた。

闇、黒、影、どれともつかない光なき世界。

ただそれは「目に見える光」が無いだけで、「目に見えぬ光」は感じられる。

「電波は・・・飛ばない・・・。」

「モカ婆様・・・。」

不安を感じないわけではなかった。

・・・。

ぼそっと、一言発した。

「ナノバイト散布。」

腰に付けた瓢箪状のマルチ・ランチ・システムから、光の粒子が意思を持っているかのように飛び散った。

「マップ構築。」

「情報取得。」

・・・。

壁に手斧を突き刺し、足場にした。

「バベル」は機能停止していない?

・・・。

気配ではない動体を検出した。

「あなたは、誰?」

ティファは少し首を傾げ、体表に付着させていたナノバイトを発光させた。

人型のものが眼前にいた。

「バベルの子飼いの者?」

相手は少しだけうなずいた。

・・・。

「バベルに会わせてもらえます?」

相手は笑みを浮かべたように見え、ついて来るようにと感じ取れた。

「バベル」から繋がる「無限回廊」、その先の「世界の狭間」に逸早く・・・。