晴暦3007年、空翔地駆の月華
私は、駆けた。

私は、翔けた。

私は、駈けた。

私の眼底に映りこむ「影」。

「影」を捉えた。

いつもそうだった。

見え無き「あれ」の顔は、私をいつもあざ笑っているように見えた。

私は「鍵」を構えた。

・・・。

晴暦3007年5月。

天空の遙か先の「黒の河」から「一滴の光」が落ちた。

月華の構えたそれは「精霊の銃」。

いや、「銃」ではない、「別の何か」。

「鍵」。

「扉」を開ける為の「鍵」。

「キャリバーンの扉」を開ける「鍵」。

キャリバーンの放った「一滴の光」が落ちた刻には、禍々しい巨大な雲と、止め処ない雷達が渦巻いていた。