晴暦3007年、大樹影竜のニドヘグ
晴暦3007年5月13日。

ここは天高い所にある樹で出来た大地「樹海雲」。昔は幾本もの世界樹「ゆぐどらしる」に支えられていた。

・・・。

あ。

黒い影、見えたです・・・。前見た、あの「ニドヘグ」です・・・。

ああ~~、なんか活き活きしてるです・・・。

パーヘリックが、乙姫に伝えた。

・・・。

「本当だ・・・、活き活きしてる・・・。唐突、かつ、うっとおしい・・・。」

乙姫は、足元を「トトン♪、トン♪」とタップした。

瞬時に「竜宮楼」を中心に取り囲むように、半径数キロに渡って、巨大な剣の茨の壁が生えた。

・・・。

「どう・・・?」

・・・。

活き活きと壁に体当たりしてるです・・・。

・・・。

乙姫さま~~~・・・。

・・・。

「なに~~~?」

乙姫はその場にあった、ちょうどよい高さの幹に座り込んだ。

・・・。

前から疑問だったんですが・・・。

あれ・・・、「竜」ですか・・・?

・・・。

「さあ・・・。」

まぶたが下がった半目状態でため息混じりに乙姫は答えた。

「私、竜って、まともに見たことないもん。」

「大体、竜って、どんなもん?」

・・・。

わからないでありますよ・・・。

あのう・・・、この枝、投げつけていいですか・・・?

パーヘリックは、50メートルくらいの枝を持ち上げ、数キロ先の活き活きしている「竜」に投げつけた。

・・・。

数百メートルくらいの粉塵が立ち上った・・・。

「・・・ズゾオォォォン・・・」

腹に響く、重低音が響いた。

ダメ・・・ですね・・・。

・・・。

「ねえ、ココロは、どこ行った?アイツをぶつけよう。提案!」

・・・。

さあ・・・。どこ行ったんでしょうね・・・。