晴暦3007年、人心導手のアリソン
晴暦3007年5月12日、朝焼けの中。

まばゆい光の影の中、目に光が入らぬよう、手をかざす者がいた。

その者の上を、箱舟が後ろ向きに通り過ぎた。

・・・。

「箱舟?」

「迷い人?」

「この感覚は・・・。」

・・・。

朝日の中を目を細めて見た。

・・・。

「ワルキューレ・・・?」

「それと・・・、何?」

その者も、初めて見るものであった。

・・・。

「わかる方から導く・・・と。」

「箱舟は・・・何かを探している?」

・・・。

「・・・!」

「気配を・・・、感じる・・・。」

「魔王・・・、魔王なの・・・?」

・・・。

「気持ち悪い気配・・・。あれか・・・。」

その者は、朝日の後光の上層部に目をやった。

・・・。

「悪意とも、敵意とも、わかりにくい・・・。」

・・・。

「地上と天上が繋がった・・・。また、ややこしいことになる・・・。」

その者、古の英傑の「アリソン」は感じた。

・・・。

「また、導き手となる・・・か。」