晴暦3007年、紅水晶のバレリィと庭帝のマメ
晴暦3007年5月12日昼前。

ここはスーリア国の太楽海花支店の母屋の庭。

・・・。

マメ♪マメ♪マ~メ♪マァ~~~メっ♪

あの子達は何処行ったのかしら?

あの子達はまだ帰ってこないのかしら?

「出前に行った睡魔が、猫福亭でなんか大量に食べているのを見た、と言っていたにゃ。」、睡魔の一人が答えた。

「買出しに行った睡魔が、トントン亭でなんか大量に食べているのを見た、と言っていたにゃ。」、睡魔の一人が答えた。

「さっき、母屋で何か食べていたにゃ。」、睡魔の一人が答えた。

・・・。

それって・・・、一度は帰ってきていたって・・・こと?

マメは見た?

「わん。」、愛犬マメは答えた。

・・・。

あの子達・・・食べてばっかりで・・・。

まあ、居ても居なくても、店の邪魔にもならないし・・・。

・・・。

「はいはい!もう少ししたらお昼ご飯の時間です。順次、店番の交代をお願いね。」

色々な返事が返ってきた。

そう、いろいろ・・・。

居候が、そりゃもうたくさんと・・・。

・・・。

私は、太楽の海花の紅水晶の「バレリィ」。サボりをしているハオの姉、行方不明のオーレの姉。要は長女。

「魔王の眷属」ってのも、あることはある。

・・・。

「食った、食った♪」

「食べた、食べた♪」

ハオとミカサが帰ってきた。

・・・。

「え~。あなたたちは食事抜き♪」

・・・。

「なんで!!」

「何故ですよ!?」

・・・。

「わん♪」、マメが一喝した。