晴暦3007年、蒼水晶のハオ
晴暦3007年5月12日朝。

朝日が高く、高く登り、澄んだ空気が広がりつつあった。

草花に付いた朝露が、遠くの人影を滲ませていた。

ここはスーリア国の太楽海花支店の母屋の食堂前。

・・・。

「静寂なる魔」が、悪魔「疑心暗鬼」の「残存気配」を持ち帰った。

さて・・・、と。

「バレリィ姉さん!神社、行ってくる!」

「気をつけてね~~~。」、母屋の奥から、バレリィ姉さんの声が聞こえた。

・・・。

「ねえ、ハオちゃん。あさごはん・・・。」、ミカサは、まだ朝ごはんを気にしていた。

ミカサは、私の右手に持つ「はたき」の先をつまんで、ついてきた。

・・・。

太楽堂から町役場への坂を上って、さらにその坂を上っていった。

「東海原神社でしょ?、前、来たですよ。」、ミカサは言った。

「東海原神社、変な生き物たくさんいるですよ。」、きっと「ぬえ」のことだろう。

・・・。

神社の門構えを掃除していた新人の巫女さんに挨拶をした。

神社は、東海原家の手により、昔あった世界樹「サン」の切り株を奉るために建てられたものだ。

・・・。

神社の社務所の顔出して、挨拶して、拝殿前まで行った。

賽銭を奉納し、手を叩き合わせ、祈った。

ミカサも祈ってた。

・・・。

「ねえ、ハオちゃんは、何を祈ったの? 私ゃ、朝ごはん♪」、ミカサらしかった。

そうだね・・・。「二度ある事は三度ある」っていうだろ?

「疑心暗鬼」が来て、「静寂の魔」が来て、その次は・・・って事は嫌だろ?

ミカサは、コクコクとうなずいた。

だから、参拝に来た。

それと・・・。

「あいつら」が、早く帰ってくるように・・・ってね。

・・・。

私は、太楽の海花の蒼水晶の「ハオ」。バレリィ姉さんの妹で、行方不明のオーレの姉。要は次女。

「魔王の眷属」ってのも、あることはある。

・・・。

「さてと・・・、帰るか。」

「ミカサ、店帰っても今は人手が多いから、飯食いに行こう。猫福亭に♪」

ミカサは喜んでいた。

・・・。

(はやく、帰って来いよ。)

・・・。

「さて、なに食うかな?」

「私ゃ、海花特盛定食っ♪」

「欲張るなって♪」