晴暦3007年、荒れる微風のナミカゼ
晴暦3007年5月15日。

ここは南の極地の大陸「フォックニウス」の対岸の王立国家「アルテネ」。

アルテネは合衆国であり、南リアニン屈指の広さの国土を誇る。

・・・。

ふぅ・・・。

トト様は、まだ帰ってこられていなかった・・・。

打ち合わせの日くらい、思い出して、トト様。

・・・?

「おや?ナミカゼ殿ではないか♪」、ベルタ様は私を見つけられた。

嫌な予感が・・・する。

・・・。

「ナミカゼ殿♪・・・行かないか?」、ベルタ様は何かを言った。

私の耳には、私の身によくない事は聞こえないような能力がある。

良いそよ風ですね、ベルタ様。

・・・。

「ナミカゼ殿♪・・・行かないか?」、ベルタ様は何かを言った。

そよ風が・・・吹いた。

・・・。

ベルタ様は、にこにこしながら、近づいてきた。

やばい!笑顔の裏に怪しい気配を感じる!

耳元で、・・・、

「ねえ♪ナミカゼ殿♪「フォックニウス」に行かないか?」、ベルタ様は、ニヤニヤしながら言った。

うあああ!!うおおお!!あれでしょ!!あの報道されていた、「南洋ミラーズ」のフォックニウス侵攻作戦のことでしょ!!

聞きたくなかった!!

聞きたくなかったでござる!!

・・・。

べ、べるたさま♪、私は、トト様との打ち合わせに来ただけですよ♪

(やばい!やばい!やばーーーいっ!!なんとか、切り抜けなきゃ!!)

・・・。

「大丈夫♪モカ殿には了承済み♪」、ベルタ様は答えた。

うぎゃあああーーー!!

・・・。

大全太楽堂アルテネ御崎支店から、何気ない打ち合わせに来ていた私は、絶叫してしまった!!

私は、太楽の術帝のナミカゼ。私は、ただの営業、非戦闘員!!が、モカ大婆から「二つ名」を付けられてしまった!!

・・・。

嫌ですよ!!嫌です!!フォックニウスには関わるなと、実家のばっちゃに昔から言われております!!

「あなたの「営業力」が、今、欲しいの♪」、ベルタ様は言った。

・・・。

「そうや♪一緒に行こうや♪南極に一緒に行こうや♪」、剣聖メリディエスは、背後からそっと、囁いた。

メリディエスには言われたくないわっ!!

・・・。

私、ナミカゼは、メリディエスに引きつられて、暗黒世界へ・・・。