晴暦3007年、南の剣聖のメリディエス
晴暦3007年5月15日。

ここは南の極地の大陸「フォックニウス」の対岸の王立国家「アルテネ」。

アルテネは合衆国であり、南リアニン屈指の広さの国土を誇る。

・・・。

ねえ、賢者殿、賢者殿。

「なんです?メリディエス殿?」、賢者殿と呼ばれた者、賢人「ベルタ」は答えた。

何ゆえに、私が選ばれたん?

・・・。

「え~、それは~、あなたが~、「剣聖」だからです。」、ベルタは答えた。

・・・。

「剣聖」って、「宮使い」だったっけ?

「この国の「剣聖」で、暇そうな方はあなただけです。」、ベルタは答えた。

・・・。

なんか、すっごい、複雑な気分なんやけど。

「はいはい、「剣聖」殿は、この国では希少な存在なのです。」、ベルタは答えた。

私って・・・、「希少」?「希少」?

・・・。

「そうです、「希少」な存在です。」、ベルタは答えた。

・・・。

「私に古き友人から、助けの連絡が来ました。」、ベルタは答えた。

「助け」?、あの今さっき報道されていた、「南洋ミラーズ」のフォックニウス侵攻作戦のことだっけ?

・・・。

「そうです。そこにも、私の古き大事な友人がいるのです。」、ベルタは答えた。

で、「暇そうな希少な存在の私」に出番だと・・・?

・・・。

「そうです。行きなさい。今すぐ準備して、行きなさい。」、ベルタは答えた。

ぶーーー!!

・・・。

アルテネの「希少な暇人の剣聖」の「メリディエス」は、ぶつぶつと不貞腐れながら準備していた。

・・・。

フォックニウスって南極やろ?

私、寒いの苦手やねん。

・・・。

「大丈夫。行けばわかります。行けばわかります。」、ベルタは答えた。