赤き警鐘
今は晴暦3007年5月15日。

ここは、大全太楽堂本舗。

その空には、あらゆるものを苦しめるものがいた。

いや、太楽の空だけではなかった。

あらゆる村、街、国、

そして、世界の空に「それ」はいた。

・・・。

<瘴気・・・。>

<瘴気が満ち溢れている・・・。>

<来る・・・。>

<奴が来る・・・。>

・・・。

「それ」は、気配を感じていた。

・・・。

「ああ、この瘴気を糧に引き寄せられたな。」

竹取の魔女も、気配を感じていた。

・・・。

<鬼だ・・・。>

<鬼が来る・・・。>

<そう、>

<待ちわびた鬼・・・。>

<この刻をどれだけ待ちわびたか・・・。>

・・・。

空を舞う悪魔「猛毒」の中に一人の少女が現れた。

・・・。

「それ」は構えた。

・・・。

「それ」といわれた亡霊、赤き警鐘の「レッドアラート」。

「それ」しか知らぬ古き記憶。

<散っていった同胞たちへの手向けのために・・・。>