カレイド、偽りの塔へ
晴暦3007年5月10日正午、天候曇り。

箱舟「ウェブスィーパー」は、混乱の塔「バベル」に船首攻撃を行った。

西リアニン大陸のイルタリアから発せられた衝撃波は、どこかの宇宙の一つの惑星「リアニン」全土に響き渡った。

・・・。

ウェブスィーパーはバベル内に突入していた。

その数分も経たない内に、

「先行する。」

カレイドがウェブスィーパーの船首上を進んでいた。

「あ~ぶな~いかもぉ~~~♪」

また、ぱぷりかの気の抜けた声が響いた。

船首には、先ほどの「妨害」が「気」の抜けた殻のように転がっていた。

バベル内は、外の淀んだ空気と違い、光、緑が溢れ、澄んでいた。

「こういう空気の違いほど危険なものは無いな。」

・・・。

「こんなもので樹海雲を目指したのか?」

・・・。

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ>>

<<ヤンヤディラ、ヤンヤディラ、ルーーー>>

・・・。

「来るか。」

カレイドは、その瞬間を身構えた。