「I Can Fly!」と、バリエは叫んだ
私は飛び出した!

「I Can Fly!」と叫んだ!

というか、

「飛んで」逃げた!

そう、「飛んで」!

だって・・・。

周りの世界がぐるぐる回って、見たことのない風景になり、

知らない「巨大な塔」が空高くまで突き刺さっていた。

父さん、母さん、婆ちゃんの言葉がわからなくなってしまった。

そして・・・、「飛んで」逃げた。

・・・。

ここは「西リアニン大陸」の「イルタリア」の、にぎやか港街「ホーホー」。

私は大全太楽堂の分家の娘で、本店にはたまにしか行かなかった。

・・・。

本店は・・・、モカ婆ちゃんは・・・、なにしてんのよ!!

・・・。

私は千里眼クラスの視力があった。

中央国家「オウカナ」の方角から何か来る・・・。

「船」だ!!

「空飛ぶ船」だ!!

・・・。

「やるなっ!!」

「そっちこそっ!!」

何か船の上で不毛な戦いが見えた・・・。

・・・。

私は、太楽の飛帝のバリエ。

私は、魔女でも魔法使いでもないけど、何故か「空を飛べる」能力を持っていた。