怒る酒飲み魔人の八津コウ
晴暦3007年5月10日。

ここは、大全太楽堂本舗再建現場。

・・・。

おまいら!なにやっとんじゃあ!!

・・・!!

魔人やら何やらによる鬼気迫るこの空気感の中、怒号が響いた!

・・・。

なにやっとんのか、わかっておんのか!?おおお!?

・・・。

「えへへ・・・、連れて来ました・・・♪」

太楽の上級受付嬢のハナちゃんがそう言った。

・・・。

「な、なぜゆえに・・・八津コウが!?」

・・・。

「なぜゆえに?」・・・だと!?

きまっておろう・・・。

注文していた酒、「神酒」は、まだかっ!!

・・・え?

こちとら・・・安酒で我慢しとったのに・・・。

おまいらときたら、楽しそうにして嫌がる!!

チキショーめっ!!

酒じゃ・・・。

酒を用意せんかっ!!

「・・・ハナちゃん・・・。」

・・・。

「・・・えへへ・・・コウ様のそばにいて、ちょっと酔ってます♪」

・・・。

ぷはあ・・・。

・・・。

「うぐ!!酒臭い!!」

・・・。

八津コウの酒臭さにその場(戦場?)にいた皆の気力がそがれた・・・。

・・・。

八津(はっしん)コウ。とある高山にある社「八ツ園」。その社に潜む魔人。

薬師(くすし)であり、酒飲みであり、暇人でもある魔人さま。