妖幻のフラン
ここは北の極地の大国「クリスタルズ」の湾。

クリスタルズは外界、諸外国とは隔絶さえている。鎖国である

・・・。

「全軍、首都「マッハマル」へ向け、前進せよ!!」

そこに攻め立てるものがいた。

それは「金の逆さ三雫」を施した軍章。

中央大陸の北国「シーバウス」の軍隊である。

「さあ、クリスタルズよ、侵入者だ♪ストレンジャーだ♪」

軍隊の先陣を歩むものが言った。

「フラン様!!狙い撃ちされます!!後方へ!後方へ!」、寒さと恐怖にがちがちと震える幼年の補佐官が言った。

「マージン♪お前は、カローザの背後にいなさいな♪」

「さあ、来るのは誰だ♪狩人よ♪」

冷気の先にうっすらと人影らしきものが横一線に構えていた。

「ふふん♪ファンデメルヴェか♪」

「ここはクリスタルズ!!即刻引き下がられよ!!さもなくば全力を持って排除する!!」

「できるのか?できるのか♪ファンデメルヴェーーーッ!!」

先陣を歩むものが言い放った。

「シーバウスっ!全軍進撃っ!!」

先陣の者、王立国家シーバウスの戦歌姫フラン・シー・ドであった。

「この地には彷徨う魂が私に力を与えてくれる♪」

「勝機はすでに見えているのだよ♪」