黄昏の姫君
天に突き刺さる「真白なる世界樹」のある場所。

ここは、美しき巨大な船「ウェブスィーパー」の操舵席。

「ねえ・・・、カレイド~。」、ぱぷりかはつぶやいた。

「何よ!うるさいわねっ!!」、カレイドは、ぱぷりかの後ろの席で毛布を被ってゴロゴロしていた。

「ねえ・・・、あんた、ワルキューレだったよね~?」

「そんなこと忘れた。」

「思い出してよ~。」

「うるさいっ!」、カレイドは毛布から顔だけ出した。

・・・。

「ねえ・・・、カレイド~。あれ・・・、何に見える?」、キャノピーから見える船首に人のようなものが見える。

「・・・。眠ぃ~・・・。・・・。・・・!」、カレイドはガバッと毛布から出た。

「ねえ・・・、カレイド~。すっげーーー、嫌な感じなんだけど・・・。」、ぱぷりかは振り返って眉間にしわを寄せカレイドを見た。

「見ないでくれ!「あれ」が何かを答えさせないでくれ!」、カレイドはすごく嫌な顔をした。

「ねえ・・・、カレイド~。あれ、「黄昏の姫君」じゃねぇの?」

「言っちゃった・・・。」

・・・。

「ねえ・・・、カレイド~。追っ払って♪」、ぱぷりかが媚びた。

・・・。

「あれ、魔人だぞ!ワルキューレが何とかできると思っているのか!?」

「うん♪お・ね・が・いっ♪」

「くっ・・・!!」

・・・。

ぱぷりかの頼みにカレイドは嫌々、船首の「黄昏の姫君」の元に向かった。