光を喰う狼
今は晴暦3007年5月。

ここは、ある国のある場所、ある日の下。

・・・。

「あっかずっき~~~ん♪」

「あっかずっき~~~ん♪」

「赤頭巾は、ワタシに喰われるの♪」

「みんなは、ワタシに食われるの♪」

「決まっているの♪」

「昔から、そう決まっているの♪」

「さあ♪さあ♪さあさあさあさあ♪」

「かかって来い♪」

「かかって来い♪」

「かかって来い来い♪かかって来い♪」

・・・。

蒼き狼は煙のような姿になった。

それは光をも喰らうほどの暗さを持つ「暗黒に近い蒼」だった。

・・・。

赤頭巾はニヤつき、すこし身震いした。

そう、「あの時」、「あの時代」を思い出したかのように。