鬼神のアリン
今は晴暦3007年5月。

ここは、西端の国「ヨーアン」にある「黒い砂漠」。

「黒い砂漠」は黒曜石を主成分とした砂漠。

ここには人は居ない・・・。

ここは人・生き物の生きていける場所ではない・・・。

・・・。

そこに、黒く蠢く群れがいた。

影のようにも見える。

「鬼だ・・・。」

「鬼だ・・・。」

「鬼だ・・・。」

「鬼だ・・・。」

「鬼だっ!!」

・・・。

そう、「鬼」だ。

「人」でなく、「魔」でなく、「龍」でなく、唯一無二の「鬼」だ。

お前たちは・・・「悪魔」か。

お前たちは・・・「見境無し」か。

・・・。

さあ、かかってこい。

あの日、あの時のように、切り裂き、砕き、潰してやろうぞ。

あの静かなる「セリア村」を襲ってきた日のように・・・。

・・・。

その容姿は少女に見えたそれは「鬼」と呼ばれ、恐れられた。

「鬼」は昔、「アリン」と名乗っていた。遠い昔のことだった。

・・・。

「悪魔」は恐れを知らぬのか、大挙して「鬼」に襲い掛かっていった。

・・・。

「黒い砂漠」は、絶叫が奏でられ、静かになった。