真珠の森に現れた、疲労の悪魔ファティーグ
今は晴暦3007年5月。

ここは、スーリア国にある森林地帯「真珠の森」。

「真珠の森」の広さは樹海に近きもの。

私は、傭兵集団「ヌフラント・キャンプ」の太守「久川 ホー」。

・・・。

ピ、ガガッ!!

「こちら、アーカス隊、前方300m先に目標外の何かが・・・なんだあれは!!」

ズズウウウゥゥゥ・・・ン!!

ズズウウウゥゥゥ・・・ン!!

・・・。

兵たちがざわめいている。

なんだ!あれは・・・。

・・・。

遠い?いや、巨大すぎて距離感がわからない。

「瘴気撃ち」の群れが踏み潰されているように見える。

この森の木々の高さは200m近き物が多い。

その木々に匹敵する大きさ。眩暈がする。

疲労感もある。疲労?

兵たちも皆、疲労感を訴え始めている。

これが、噂に聞いていた「悪魔」の能力なのか!?

奴の向かう方向は森林市街地のある第21区。

「真珠の森」は24区に分けられて自治管理が行われている。

今いるのは比較的、人の少ない第17区。

足止めせねばならない!

だが、あれほどの巨大なものにどこまで我々は抵抗、対抗できるのか?

歩いているのか?這いずっているのかがよくわからないが、確実に前進しつつある。

・・・。

「ヴァンッ!!」、轟音が響いた!!

「ヴオオオオオオオオオオ!!」

なんだ!

魔法攻撃か!?

我々には、あれ程の強力なものは・・・。

大魔法使いヴォローか!!

・・・いけるのか?いくしかない!!

・・・。

歩みを止めない巨大すぎる悪魔、疲労の悪魔「ファティーグ」。

止めねば!

あの歩みを止めねば!!