仙のアリーナ
今は晴暦3007年5月7日。

ここは、某国某所の廃墟。

・・・。

剣豪の篠原シノと悪魔の「睡魔」たちが、「虚無」と交戦していた。

こんなに斬っても手応えがない!

何かおかしい!

「睡魔」たちの「呪いの踊り」も効いていないのか、疲れを見せ始めた。

シノは踏み込んだ瞬間、足元が滑った!

しまった!!

「虚無」は、その一瞬に、身構え出来ないシノに剣を振り下ろした。

風が吹いた・・・。

「ヒュボン!!」

不意の誰かの襲撃に、「虚無」が吹き飛んだ!

空気が変わった!?

いや、空気の気配が浄化された感がする!!

・・・。

廃墟に日が入った。

・・・。

・・・!

人影が浮かんだ。

「邪気は祓い飛ばしました。」

その声にシノは見上げた。

すがすがしい・・・。

恐怖感がなくなった。

同時に、眠りが襲った。

・・・。

「あなた様は、どなたにゃ!?」

かろうじて助かった「睡魔」たちは尋ねた。

「早くあなたたちもこの場を引きなさい。」

「怖い者たちが来る前に。」

その者は言った。

・・・。

「お、おにゃまえを・・・。」

・・・。

「アリーナ。仙のアリーナ。セリア戦争の敗残仙。」

その者は風に乗るように消えた・・・。