アリアリアの囀り
今は晴暦3007年5月7日。

ここは、某国某機関某会議室。

・・・。

ジュリエッタとモカとユナのやり取りの中、

「ジリリリリリ・・・!!」

ヒューーーーンンン・・・・。

会議室の電源が落ちた。

会議室の扉が開き、執務員が言った。

「この建物の電源が全て落ちましたっ!!」

「そんなバカな、緊急自家発電機能があるのだぞ!!」

風が吹いた・・・。

「来た・・・。」

「来た・・・。」

モカとジュリエッタの言葉に皆が息を呑んだ。

<非常電源が回復します>

<非常電源が回復します>

<非常電源が回復します>

・・・。

・・・!

オレンジの照明の中、ぼんやりとした人影が浮かんだ。

「「虚ろなる心無し、闇すら敵わぬ無の井戸ありけり・・・」」

冷気を伴ったその声に皆が息が止まった。

「「非想定の想定外は必ず起きるもの。それは自然。それは不自然。「敵」は思惑の外にいる・・・」」

「アリアリア!!!」モカは思わず叫んだ!!

「「「アリアリアの夏」はまだ終っていない。「酷暑」が控えているのを忘れるな・・・」」

<補助電源が回復します>

<補助電源が回復します>

<補助電源が回復します>

会議室が明るくなった。

「アリアリア」は、そこにはいなかった。

いや、もしかしたら、元々いなかったのではなかったのかもしれなかった。

あの「大魔女」のジュリエッタに冷たい汗が流れた・・・。