北端王国の姫君のユナ
今は晴暦3007年5月7日。
ここは、某国某機関某会議室。
・・・。
「バアアアアアアアアアアン!!」
会議室の前の扉が豪快な音を立て開いた。
ビクビクッ!!
一部を除き全員、ドキッとした!!
「来た来た♪」
モカが言った。
ムスッとした顔で、モカの隣の席にドン!と座る軍人らしき者だった。
「モカ婆様!来たはいいですが、なんですの!?この面々は!?」
「あれ?詳細伝わっていなかった?」
「ってか、前の扉から堂々と入るとはすごい心臓だわ♪」
「後ろの扉、開けてみなさいな!!」
なにやら人だかりでざわついていた。各国の情報員ばかりであった。
「で、シーバウスは、どう行動すればいいかお決まりになって!?」
「うんうん♪標的をかき回してほしい♪」
「そりゃまあ、すでに我が国は標的と交戦済みです。5年前の大軍師による造反事件でまだ影響が残っていると言うのに!!」
「その残った影響の中で、標的に襲われ、もう大混乱!!今、思い出しても腹が立つ!!」
モカにタメ口を放っているこの者に対しに一同、圧巻の目で見ていた。
・・・。
この者は、ユナ・メータ・シーバウス。北端の王立国家シーバウスの第3王女。
シーバウスは国のほぼ全域を永久凍土に覆われた非凡な土地である。
その非凡な土地でありながら、5年前まで最低限の生活レベルであったが、
その土地を治める地龍の死により隣国への「地龍狩り」事件へと発展した経緯があり、隣国連合体からは好まれていない。
軍事力には目を見張るものがあり、常に監視レベルを最高状態にし、緊張状態が今なお続いている。