琥珀の大魔導士アラムト
今は晴暦3007年5月7日。

ここは、某国某機関某会議室。

・・・。

「その「通行術式陣」を通るのは、私の役目でしょう。」

いいのですか?

四肢が世界樹の琥珀で再構築されているからといっても、

無事では、済まないですよ。

「構いません。そのため、今日まで生き延びてきたようなものですから♪」

「それに、「彼の者」を送り返したのは、この「私」なのですから♪」

「彼の者」を連れて来る役目は、アラムトに任せます。

・・・さて、

もっとも、誰も引き受けたくない役は決まった。

通行陣からは「呼ばれざる客」も流入してくるであろう。

皆には、「迷い人」たちを探してきてほしい。

そうだな?モカ?

「んあ?いるよ。一人知っている。ってか、雇っている。「ずれた隣の世界の者」を。」

・・・。

私は、アラムト。王立国家「オーレウス」の国家魔導士。

かつて、「リアニン赤道事件」時に「この世界に在らざる者」と交戦し、

再起不可能なほどの重度の損傷を受けつつ、その代償に「在らざる者」を元の世界に返した経緯がある。