大魔法使いペネローペ
今は晴暦3007年5月7日。

ここは、某国某機関某会議室。

・・・。

で、各々の国の代表なる魔導士、もとい、魔法使いを召集したわけですか?

それも、恐ろしき、大魔女の一声でですか・・・。

大魔女「ジュリエッタ」といいますと、無詠唱魔法、圧縮魔法、簡潔魔法を広めた者ではありませんか。

それは、魔導士、魔法使いの師匠の師匠の大師匠ではありませんか。

まぁ、その魔法技術を求めて、当時の世界では争奪戦争が起こったほど。

「そう、争奪戦争・・・あったわね・・・なつかしいわ♪」

これは、ジュリエッタ翁!

「謙遜しなくてもいいですわ♪」

「何せ、この時代に高等魔法魔術を扱えるものは数少なくなりました。」

「そして、あの「バカ魔女アリィー」に乗せられて、数え切れぬほどの魔女が引き抜かれたこと・・・。」

・・・。

「バカ魔女アリィー」・・・、そんな蔑称を軽く言い放つなんて・・・すばらしきかな大魔女!

「さて、高等魔法使いの皆に集まってもらったのだが、ある「作戦」を発動させる準備をしてほしい。」

・・・。

・・・いやな予感がする。

・・・とてもいやな予感がする。

・・・。

大魔女翁よ、それはもしかして・・・かなり危険なことでありますか?

・・・だまった・・・いや、

「うん♪危険♪危険♪」

・・・。

魔法使いの中でも高等魔法を扱える大魔法使い一同の顔に暗い影が落ちた・・・。

・・・。

私は、ペネローペ。トロア民主共和国から召集された。元は大魔導士だったのですけどね。

流石民主主義化への傾向のここ昨今、国家魔導士が廃止されると、

お財布が悲しいことになって、こういう作戦に巻き込まれるのですね・・・。