大魔女ジュリエッタの作戦
今は晴暦3007年5月7日。
某国某機関某会議室。
そこでは、各国首脳陣の論争が始まっていた。
暴言、混乱、掴み合い・・・、
(なんと纏まりのないこと。これでは悪魔もいらんな。こいつら自体が悪魔そのものだ。)
そこには、出席していた大全太楽堂総裁「太楽 モカ」の姿もあった。
「だから!民主化運動には反対したのだ!」
「何を言うか!民主化が合ってこその平和への一歩だ!」
「軍縮などするから、こうも、わけのわからん連中に左右されるのだ!」
「なら今から軍拡する気か!正気か!」
・・・。
「ほんと、纏まりのない連中ね。」
!?
ジュリエッタ!?
「魔女!魔女だ!!」
一同、会議室隅に詰め寄ってしまった。
「ははははは♪こういう時に、こう私のようなものが現れると、一斉に気持ちが纏まるのね♪」
・・・各国首脳陣は震えながら言った。
「ま、魔女が、な、なんのようだ!!」
「あらあら、何の用って!一網打尽で世界征服ぅ♪・・・なんてね♪」
「そんなことは考えていないわよ♪」
「私たちだって迷惑しているのだから。あんな連中と同一視しないでほしいわ♪」
「切り札って物は存在しない。だけど、対抗手段ぐらいは考えているのでしょ?」
「手を貸そうって言っているのよ。」
「そう、ドットウィッチ・プロジェクトを発動させるの♪」
「5年前にどこかの誰かさんが失敗した作戦だけどね♪」
一同固唾を呑んだ・・・。
・・・。
円卓の会議席に居座っていたのは、肘突いて、にやついているのはジュリエッタと、肩肘ついて呆れ顔のモカだけだった。
大魔女ジュリエッタ、500年昔のセリア戦争時に大暴走した大魔女の一人だった。それ以前の記録はない。