魂の風になびく妖精
ここは海花の朝6時21分。海花町役場の総務課の元応接室。今は瓦礫の山。

遠くから妖精「目覚めの朝」の絶叫が聞こえる。

ハオは勝ったな。

さてと。

アタシ、バレリィの頭の後ろから右側に「すーーー」っと何かが現れた。

現れたのは風鈴のような姿の妖精。名は「ライフボート」。魔王の眷属である。

「・・・ここは無風・・・」

「・・・ただ、・・・」

「・・・魂の風が流れる・・・」

「・・・導きます、ワルキューレ・・・」

「・・・さぁ、こちらへ・・・」

妖精の目は、ぼんやり輝いている。

その輝きは、彼の者を導かんとする怪しさを持っていた。

「ワルキューレ、抵抗する」

「ワルキューレ、抵抗する」