玉子王子
某国放浪王子「ハニール第八王子」の侍女のべスパです。
王子は珍妙、いや、素晴らしい特技を持ってらっしゃる。
殻の割っていない生卵に触れると、
「ピヨッ♪」
っと、ひよこが孵化します。
厨房の玉子が全てひよこ化するという騒ぎもあったような・・・
さて、王子と北の城を抜け出て数ヶ月、懐も寂しくなってきました。
あそこのうどん屋がいいですね。安くて。
「らっしゃいませぇ~♪」
ふと王子の目がかごに入った生卵に向けられていました・・・それはいけない!!・・・間に合いませんでした・・・
「ピヨッ♪」「ピヨッ♪」「ピヨッ♪」「ピヨッ♪」「ピヨッ♪」「ピヨッ♪」「ピヨッ♪」「ピヨッ♪」
全てひよこ化してしまいました。周りの皆、目を丸くしています。
隣で「フーーーーッ!!」っと青い猫耳帽の不審者が青ざめながらこちらに睨んできています!!
これが、オーレというあやつらとの初会合でした。